ユーザー調査を行うことで、ユーザーニーズの理解が深まります
設計プロセスの早い段階でユーザーのニーズや潜在的リスクを重視することによって、より安全で競争力が高く、理想的な製品を開発し、リコールや返品などのビジネスリスクを低減することができます。ユーザー調査により、製品のユーザーエクスペリエンスに影響する以下のような要因を深く理解することができます。
- ユーザーの身体的特性や認知特性、およびユーザーのニーズとゴール
- 使用環境、社会的・文化的影響
- ユーザーのワークフロー、行動、インタラクション
ユーザー調査の成果物でチームの取り組みを集中させる
Emergo by ULのユーザー調査により広範囲のインサイトにあふれた成果物が得られ、これにより共通のビジョンに沿ったチームの連携を促進できます。成果物には以下のようなものがあります。
- 詳細で分かりやすいレポート
- ジャーニーマップ
- ペルソナ
- ユーザープロファイルと使用環境の説明
- 利害関係者向け重要項目プレゼン資料
ユーザーの行動、嗜好、満たされていないニーズなどを調査するために、Emergo by ULはさまざまな方法を使用してユーザー調査を計画し、実施します。
開発チームと共にユーザー調査で得られたインサイトを解釈して、ユーザーインターフェースの要件、ユーザージャーニー、優先すべき機能、戦略的ロードマップとHFE文書化(仕様、タスク分析、使用関連リスク分析)などに取り入れます。こうして、安心して心地よく使えるユーザー中心設計の製品開発に役立ちます。
Emergo by ULのユーザー調査は、開発の基礎として有用です。リサーチの方法とツールには、観察、縦断的研究、インタビュー、ベンチマークテストなどが含まれます。ユーザーに焦点を当てたパワフルなインサイトを、製品設計・開発プロジェクトチームに提供します。
ユーザー調査の方法とツール
観察
直接的観察は、新製品でのユーザーのニーズや嗜好を理解するための鍵となります。観察中、タスクにかかった時間やユーザーのコメントを記録し、使用環境の特徴や、人と機器の間でストレスを生じさせるポイントについても文書化します。
例えば、麻酔医がワークステーションをどのように使用するのかを観察し、臨床医が注射を準備したり書類に記入したりするためにより大きな作業台を必要としていることをレポートします。
ベンチマークテスト
ユーザビリティ試験のスタート地点が、ベンチマークテストです。
ユーザーのニーズや嗜好を、既存デバイスのユーザビリティ試験で調べます。既存製品を先行品として調査し、その後継機開発に役立てる場合や、競合他社製品をテストしてベンチマークを確立し、新製品のユーザーエクスペリエンスや特性、機能性に関してユーザーインターフェースの要件やより広範な製品開発ゴールの基礎を作る場合もあります。
アンケート
一般的には、広範な地域の多数の参加者を対象に質問を送付し、定量データの収集、トレンドや嗜好を調査、代表ユーザーの大きなサンプルからインプットを収集します。
ダイアリー調査
エスノグラフィック調査のひとつであるダイアリー調査では、ユーザーの行動や製品の使用に関する定性データを経時的に得ることができます。製品のエクスペリエンス全体を通して代表エンドユーザーからの継続的なインサイトや慎重に作成した補足質問への回答を分析します。
市販後機器ユーザビリティ評価
市販機器のデザインレビュー、ユーザビリティ試験などの製品評価を実施し、ベンチマーク性能データを取得し、インタラクションの問題を明らかにします。
以下の情報を得ることができます。
次世代製品または競合製品の開発に向けた基礎作りのためのベンチマーク性能データを提供します。例えば、人工透析装置を使用する際の準備に関し、どの程度の使用容易性が知覚されているかのユーザビリティ試験を実施して、今後の設計コンセプトとの比較に使用します。
ユーザーインタラクションに焦点を当てた性能データを提供します。これをベースとしてマーケティングのアピールポイントを決めることができます。例えば、糖尿病患者を対象に、どの血糖測定器が最も使いやすく、痛みが少ないかを調査します。
製品の苦情、返品、その他の不具合につながるおそれのある、実際のインタラクション問題を考察します。例えば、リコールされた手術用器具のユーザーインターフェースに対してエキスパートレビューを実施し、被害につながった使用エラーの根本的原因を突き止め、より広範な是正・予防措置の一環として設計変更を提案します。
1対1のインタビュー、グループインタビュー
インタビューで、ユーザーからの包括的なインサイトを得ることができます。これは、観察やベンチマークテストで得られたデータを補足します。Emergo by ULのリサーチチームはさまざまな手法を用いて異なる種類のフィードバックを収集します。
文脈的質問法
実際の使用場面でタスクを実施している最中に、リアルタイムでユーザーのフィードバックを収集します。例えば、医師が処方箋を書いているときに電子処方箋パッドの使い心地を尋ねたり、希少疾患の注射を準備、投与しているときに、治療計画をどのように管理しているのかを尋ねます。
デプスインタビュー(深層面接)
1対1の個人面談(対面またはリモート)で、個人のニーズや嗜好を掘り下げて調査します。
グループインタビュー
グループディスカッション、またはフォーカスグループインタビューとも呼ばれるこの手法は、観察や深層面接を補足するのに有用です。多くの意見を迅速に集め、特定のトピックに対して集団の意見の一致を得るためにこの手法を使います。例えば、製品設計の属性や二者択一の選択をする場合に用いられます。
事例研究
“The learning from the process has proven critical in the market, as now more than ever before, the product's usability is key for hospitals to adopt your product. UL's capability to adapt to a startup company was impressive.”
Nuubo®
関連ソフトウェア
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