リスクを軽減するユーザビリティ試験と評価手法
機器デザインのユーザビリティ試験や評価を実施することで、規制当局の承認や商業的な成功を左右する重要なデザイン決定を正しく行うことができます。Emergo by ULには、新医療機器、ハイリスク医療機器、コンビネーション製品を含む広範な機器タイプを対象に、多岐にわたる評価・試験を実施してきた経験があります。
製品評価では、デザインの強みや改善の機会が明らかになり
優れたユーザーエクスペリエンスを提供するユーザーインターフェースのデザインには、開発プロセスを通じて効果的に、かつ繰り返しデザイン評価を行うことが重要です。製品評価では、デザインの強みや改善の機会が明らかになり、潜在的な使用関連リスクの特定やデザインによるリスク緩和のヒントになります。
例えば、在宅血液透析装置を仮定して複数の評価・試験を行うと、下記のような結果を得ることができます。
Strength | Opportunity |
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Expert review
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Those with dexterity or strength impairments are likely to have difficulty lifting the 40 lb. machine.
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Cognitive walkthrough
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Several users were confused about the meaning of the symbol on the backlight control.
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Formative usability test
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Four out of 12 test participants were unable to install the tubing set correctly.
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Pre-validation usability test
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Two participants kinked the drain tube when placing it in its holder.
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製品評価には多くの方法があります。最良の方法は開発段階によって異なりますし、時間、予算、プロトタイプや製品のステータスなど、利用可能なリソースによっても変わってきます。Emergo by ULでは、リモートテストなどを含め、開発の初期、中期、後期に最適な方法を必要に応じて採用します。
開発の初期、中期、後期に応じて最適な手法を採用します
早期デザイン評価
エキスパートレビュー
Emergo by ULでは、エキスパートレビューやヒューリスティック分析で製品設計評価を行ってほしいという依頼を多く受けます。その場合、確立されたデザイン原則を適用し、当社のエキスパートがユーザーインターフェースの強みと改善の機会を特定します。こうした評価・試験は一般的に、短期間、低コストで実施でき、有用な結果が得られます。
例:
- スマートフォンで使用するフィットネスアプリのスクリーン表示に対するヒューリスティック分析を実施し、ユーザーインターフェースデザインを認定規格と比較しました。
- 製品のパッケージとラベリングの改良のためのレビューを実施し、明確さと情報の提示を改善する機会を特定しました。
認知的ウォークスルー
早期デザインコンセプトの評価に使用される方法のひとつが、認知的ウォークスルーです。このアプローチでは、ユーザーの代表が製品のスケッチ、物理モデル、プロトタイプをレビューします。連続した静止画やスクリーンを使って、実際の製品でタスクをどのように実行するかを考えて説明してもらう場合もあります。
中期デザイン評価
形成的ユーザビリティ試験
Emergo by ULでは主に、反復プロセスを使う形成的ユーザビリティ試験を実施します。開発サイクル中の設計チームにすぐにテスト結果を伝えて、その後も迅速にテストを反復します。1~2日間のテスト後に製品、ラベリング、パッケージングの再デザイン、そしてまた試験を行います。製品やシステム全体に対する大規模な形成的ユーザビリティ試験にも、一部の機能やワークフローだけに対する小規模な評価・試験にも対応します。
例:
- 医療従事者が患者の透析履歴と腎臓の健康状態をトラッキングするためのウェブベースアプリケーションにおいて、ホームページのダッシュボードとアラートのサンプルの2つのコンセプトについて6人が参加する形成的ユーザビリティ試験を実施しました。
- 脳卒中の後遺症でうまく歩けない患者の歩行を助けるアシストスーツに対し、8人が参加する形成的ユーザビリティ試験を実施しました。
- 透析装置のプレバリデーション評価(最終の形成的ユーザビリティ試験)を15人の参加者で実施しました。これを、その後のHFバリデーション(総括的)ユーザビリティ試験で使用予定の試験プロトコルに従って実施しました。
後期に最適な方法を必要に応じて採用します
HFバリデーション(総括的)試験
Emergo by ULでは、多岐にわたる患者およびサンプルサイズを対象にHFバリデーション(総括的)試験を実施しています。サンプルサイズが200人を超える規模にも対応します。試験プロトコルを定期的にレビューし、FDAの要求事項遵守を維持しています。自社ラボ、製品の使用現場、医療シミュレーション施設、その他の研究施設など、全世界でテストを実施しています。実施後は、ユーザビリティ試験の方法、結果、エラーやインタラクション問題の根本原因などすべてを記載したレポートを発行します。テストやレポートの手法は、FDA、AAMI、IECなどの複数のガイダンスやベストプラクティス、そして当社の豊富な経験をもとにしています。Emergo by ULは、長年にわたり、製品開発における最高レベルのHEFアクティビティテストを実施し、信頼を得ています。
例:
- インスリンペン型注入器のHFバリデーション試験を75人の患者を参加者として実施しました。青年、成人、老人、介護者、医療従事者が、この製品を安全かつ効果的に使用可能であることを示すデータを生成しました。
- チームによる外科システムの使用に関するHFバリデーション試験を中国で実施、監督しました。
- 開胸心臓手術中の患者に対してかん流技師が使用する人工心肺装置のHFバリデーション試験を実施しました。
- 糖尿病の管理とインスリン投与をトラッキングするモバイルアプリケーションのHFバリデーション試験を実施しました。
事例研究
Stryker: Neptune 3 Waste Management System
“Making Neptune 3 safe and easy to use was a large, complex task... Our successful completion of this task was greatly supplemented by our collaboration with UL. I really appreciate their flexibility, timeliness, professionalism, and expertise. The result speaks for itself.”
Stryker: Neptune 3 Waste Management System
관련 소프트웨어
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